沖縄伝承話データベース

語り一覧

宜志富紹長さんの語り

おぶったものは黄金(しまくとぅば)

※Flash Playerがインストールされていないと、正しく再生できない場合があります。

【語りの梗概】

貧乏者の子だから、米を持ってあんなに遠い首里からね。酒屋のこうじを作る米で、米をつくるでしょう。これを持って親にさしあげて、毎晩、主人の奉公をしてから、また夜もはげんで、親に物を持ってさしあげたんだと。こうじを作る米さ。そうしているうちに、ここにウフン川とあるでしょう。あの栄野比の。ここから登っていく所なんだがな、この川でね。クンチャーというのはライ病者のことだよ。「この川、私を渡してくれ」と言ったのでね、もうクンチャーでもかわいそうでおぶったらしいよ。するとこの人にずっとくっついてしまってね。家でおろしたら、地面におろしたらね。筵(むしろ)いっぱいの黄金(こがね)だったって。非常に親孝行の子でね。その人は。もう首里の酒屋に売られて、そこで使われているのだが、昼は働いて、夜は親にこのこうじ作る米を持って、これをやってこうして、親孝行をしている人だったのだが。ウフン川でな、クンチゃーとここでもう会ったのだが、クンチゃーは一人でいるわけさ。そうすると、「おぶって渡してくれ。」と言うので、かわいそうでね。このクンチャーをおぶって渡したらしい。川、ウフン川、これはウフン川という川。それで、このクンチャーはずっとくっついてしまって、家でおろしたらね。筵いっぱいの黄金だったんだと。

>>  宜志富紹長さん TOP