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宜志富紹長さんの語り

仲順御主前と三人の息子(しまくとぅば)

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【語りの梗概】

子どもは、三人いるよ。妻も子もいるよ。しかし、この仲順(ちゅんじゅん)御主前(うすめー)は、宝は子にあると言わないでね。松の所に宝を埋めていてね。そうして、「私は年とってね、もう物も食べられないので、お前の妻の乳を飲ませろ」と言うと。長男も次男もね、「もう仲順御主前は狂っている。もうろくしているから」とことわったんだ。この嫁の乳を飲むというのだからね。「お前の子は埋めて私に、お前の妻の乳を飲ませなさい」ということだからね。

そうしていると三男がね、「子は産みかえればたくさんいる。親はもうまたとは見られないので、もうこの子を埋めるのも、どうしようもないのだが、仕方がない」と、この子を抱いて、この御主前が言った松の所で、穴を掘ってね。穴を掘って埋める時に、泣いて掘っているんだよ。ここで。この子は(埋められるとも知らないで)親を一目見て笑っていてね。それでもうこの子を埋める穴を堀るとね。黄金が出てきたんだよ。これは、御主前の子の心試しなのだが、三男はもう親の体を思って子は殺して埋めても、自分の妻の乳は親にさし上げると言って、これをしたのでね。すぐ黄金が出てきたんだよ。これなんだよ。仲順流りというのは。

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