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宜志富紹長さんの語り

薬のききめ(しまくとぅば)

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【語りの梗概】

金持ちの子で男と女の仲をわからない人がいたそうだよ。そこは金持ちだから、嫁のきては多いが、夫は二人目の妻までは、夜になっても何もしないもんだから、妻は自分で慰めるわけだよ。それで、この男は女を知らないという話が広まって、みんながわかるようになるさあね、それでも、女たちは、「どうにかして教えて、私の夫にする」と言って嫁になるが、男が何もしないのであきれて家に帰るわけだよ。

二人目か、三人、四人目の女だかが、「私がしかたを教えて夫にする」と言って、男の家に来たそうだよ。この女は、大変よく働くらしいんだ。もう男の妻になりたいもんだから、金持ちの嫁になりたいもんだからよく働くんだ。嫁になると、あとは家主になれるもんだからよ。そうして、夜になって女がいくら教えても、この男は妻といっしょにならなかったそうなんだ。それでも、夫は妻を横に寝かせたってよ。そんなだったので、妻はとうとう朝寝して起きなかったって。あんな働き者が起きないので、夫は心配してかやをからげて、「どうしたんだ。お前気分でも悪いのか」と行くと、女は下の方をはだけて寝ていたって。女は、「ここが痛い」って、寝ていたそうだよ。夫がのぞいてみると、あかぎれしているもんだから驚いて、すぐ医者の家に走って行ったそうだ。「旦那様、私の妻の股の間があかぎれしていますから、薬を売ってください」と、夫は薬を買いに行ったらしいんだよ。でも、医者は男が女のことを知らないとわかっているもんだから、薬を持たせると、「そこは汚い所だから、薬は指でつけるなよ。お前の男のものにつけて、夜通しなすりつけなさい」と教えたって、医者の思ったとおり、この夫は正直者だもんだから、さっそく自分のものに薬をつけて妻の前につき出したら、女がすぐ、抱きついたってよ。それからは、夫は男と女の仲がわかったので、こういうことだったって。

この女は働き者だから、雨が降るときでも豚にえさを食わせよったらしいが、夫は、「どうして金持ちの我が家だのにお前が豚にえさを食わさんとならんか。食わさんでもいい」と言って、「さあ、また薬をつけよう」と、けしかけたそうだよ。

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