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【語りの梗概】
その後、坊主が出張する時、馬に乗って行く時には、この小坊主は御供として行かなければならない。そして、荷物はこのお供がかつぐので、弁当をこの小坊主にかつがせた。道の途中で、この坊主はお金を袋に包んでなかったのでね、馬の上からお金を落としてしまってね、そこで小坊主に聞いたら、「その金が落ちるのを見ていたが、『聞いたことは聞き捨て、見たことは見捨て』と言われていたので、大切なものだがなと思いながら捨てて来ました」と言ったそうだ。これは本当は、小坊主が自分でお金も取っているんだよ。すると坊主は、「ああ、お前は、馬の上から落ちるものは全部拾うんだよ」と言ったそうだ。昼飯を食べることになってよ、坊主は馬から降りて休んでね。この弁当を食べようとすると、小坊主がこれを食ってしまっていてね、空っぽになっていて、無いのだそうだ。(坊主が)「おや、お前、この弁当は無いじゃないか」と言うと、「はい、私にこの馬の上から落ちるのは全部取れと言われたんですが、馬の上から落ちる物があっても、入れ物が無かったので、この弁当を私が食って、馬の糞を詰めてあります」と言った。