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宜志富紹長さんの語り

糸満マギーと真壁チャーン(しまくとぅば)

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【語りの梗概】

この糸満マギーという人はひじょうに大きい人だったそうだ。それで、力勝負をすることになると、勝負をしないうちに相手の家にね、夜、夜が明けないうちに水入れの瓶を自分でかついで行ってね、そこの家にこうして投げこんであったって。立てかけてあったそうだ。もうこれで、相手は、糸満マギーとは勝負できない、と思ったということであったそうだ。

それからまた、もう一つの話は、王府は昔は、同じ人間を動物と争わせてみたり、人と争わせてみたりして、見世物にしていたそうだ。真壁チャーンという、沖縄武士がいたそうだよ。武士だが小さかったそうだ。これと糸満マギーを争わせて見世物にしようということだったそうであるが、もう、糸満マギーは、「私は今日は目上の方と、武士と争わねばならない。もう私は死ぬんだなあ」と、心配して物も食べることができないんだ。もうやせてねえ、こんなに体の大きい人が。そうすると、知恵のある人が物おしえをしたそうだよ。「離れて戦うから、お前がかなわないんであって、いくら武士でも、動かないうちに、すぐ取っつかまえてしまえば勝つよ」と、教えたらしいよ。それでもう、ほら、糸満マギーは人の十倍も力のある人だからよ。ちょうど、私たちが赤子を抱くのと一緒だよ。糸満マギーが真壁チャーンを石垣にごしごしとこすりつけて、皮をはがしてしまってよ。そしたら、真壁チャーンは詫びたそうだよ。

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