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宜志富紹長さんの語り

モーイ親方の老い馬と親捨て(しまくとぅば)

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【語りの梗概】

これはね、こうなんだよ。伊野波殿内には若馬と老馬と二頭、馬がいたらしい、(モーイの)父親の馬が。それで、父親は、この老馬の方をお気に入りなわけ。若馬は、まだ訓練されてないものだから、若馬はお気に入りではない、父親は。そうしたら、父親が勤めから帰りなさる時分になると、(モーイが)この老馬を出して、バンバンいじめたんだって、このモーイが。それで、父親はもうこの老馬がかわいいものだから、「どうしてモーイ、これをいじめるか」と言うと、「ああ、人でもお父さん、年取ったら空き墓に持って行きますからね。こんな年寄り馬、何になりますか、お父さん」と言いながら年寄りのお父さんのお気に入りの馬をバンバンたたいたらしい。それで、この親は、翌日勤めから帰って来るとね、「そうだ、これは、年寄りは空き墓に持っていってはならん」と言って、この時から空き墓に持っていかないんだって、年寄りは。昔の年寄りたちは、六十一歳になったら空き墓に持っていって、食物もそこに持ち運んで与えたようだよ。

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