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宜志富紹長さんの語り

為朝と牧港(しまくとぅば)

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【語りの梗概】

ある所から鹿児島まで伝わった話が、鹿児島から次第に南に伝わってきて、どこから為朝の話が出たものやら、「運は天にあり」と言って話は始まったんだ。そして着いた所は今帰仁の運天港、向こうに着いたという話だよ、為朝は。それで沖縄にいて、あの大里按司の妹を妻にめとっていたとか、妻をめとっていたとかな。その後為朝は牧港から船を出して行ってね(帰ってしまってね)、それからのことはわからないって。それでもその妻たちは、「為朝は来る、きっと来る」と言って待ち続けてね、牧港で。それでそこは「待港」という名前が付いたそうだよ、沖縄方言で待つというのは、ぎょうにんべんの待の字で、船を待つという意味なんだよな。だが今は牧港と書いているんだ。ここから船を出してから為朝は来ないって。それで今日、人のなにがしかの名前、姓じゃなくて、なにがしの朝、あるいは朝という字が付いているのは為朝の子孫だと言っているよ、みんなが。なにがしの朝の字がはいっているだろう。それで沖縄の人は「なにがし」だと苗字がわかるもんだ。為朝は牧港から出ていってからどこに行ったかわからいって。

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