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宜志富紹長さんの語り

十貫瀬(しまくとぅば)

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【語りの梗概】

あの十貫瀬という字は十貫寺とも書くが、それは間違っているそうだよ。はやくから十貫瀬の岩はあるが、十貫瀬というのは、沖縄の方言では瀬とも書くし、石とも書いて、「ジー」と読むことができるんだ。

それで、山原の人が、この十貫瀬の岩のところに隠れてね、雨が降ってきたんで隠れていて、お金を十縄(とうなー)忘れたらしいんだ。二十銭を十縄(とうなー)と言うんだ。一貫ずつ一縄にまとめるんだが、一貫、二貫とたしていくと十貫になるよね、だから十貫は十縄になるんだ。それで、十縄をそこに置いて忘れてしまったが、もう、取りにももどらないで、ずっと放ったらかしていたわけだ。そしたら、一年ぐらいたってそこに行って、「おれはここに去年、銭を、十縄置いてあったはずだ」と言って、調べてみたら、誰も盗んでいくのもいなくて、そこにあったそうだ。それでそれから、十縄に十貫と書くようになったわけだよ。十貫は十縄のことだから、それで、ここには十貫瀬という名がついたという話があったよ。

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