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宜志富紹長さんの語り

黄金の干潟(しまくとぅば)

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【語りの梗概】

妻の家に、もうあいさつに行くと、あいさつに行くとね、妻の家からはね、米を持たせた。ほら、妻の実家はもう、女の子は財産家の娘だろう。夫は知恵のない人であったのか、魚を釣って生活しているほどの貧乏者だった。それで妻の親の家からは米も持たせてね、黄金も持たせていたそうだ。そうだったが、道の途中まで来るとね、夫は米の中に石が包まれているのに気づいたんだ。「貧乏者だと言って、こんなに馬鹿にして。」と、この石は取って捨ててしまった。家に帰ると、妻が、「あなたの荷物はもっとなかったですか。」と言うので、夫は、「そうだ。」と、答えて、「お前の親は人を馬鹿にして、石までも私にかつがせていた。」と、小言を言ったらしい、すると妻は、「ああもう、これはそんなではない。取って来て下さい。」と言って、また行かせて、捨ててきたのを取らせた。それは黄金であったらしい、金持ちの家の。だけど、この夫はこれを知らないわけさ、もう黄金だとは。夫は怒って、「私に石を持たせている。」と言って捨てて来たのが、妻はまた、親が黄金を持たせることを知っているのだから、「あなたはもっと持たされたでしょう。」ときいた。すると夫は、「持たせられた。お前の親は私を馬鹿にして、石までもかつがせていたのさ。」と、怒っていたそうだ。すると妻は、「これはそうではないよ。取って来て下さい。」と言う。取って来たのでこれを見せるとね、夫は、「ああこんなものは、私が魚を釣る所は全部これなんだ。」と言ったそうだ。このウスメーが魚を釣る干瀬ね、そこの石は、この黄金だったそうだ。それで、これを取って、その時から大変金持ちになったという話なんだよ、あれは。

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