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【語りの梗概】
これは安富祖で行なう、本部(もとぶ)の組踊にも出すよ。大宜味の人だよ、この大宜味の人は、カナチクという名であったんだよ。このカナチクという人が、大宜味から那覇に行く時にね、荷物をたくさんかついで名護から那覇行きの船に乗ったってよ、「私も乗せて下さい」と言ってね。少なくとも、四、五銭ぐらいの手間賃だったんだろうね。それで、カナチクは船に乗ってもね、那覇に着くまでこの荷物を、ずっとかついでいたってよ、下ろさないで。それで、那覇に着いたら、この船乗りたちは、荷物の手間賃も、人を乗せた手間賃も取ろうとしたので、「どうしてだ、私は船には、荷物を積まなかったではないか。私は、ずっと、かつぎっぱなしだったんだ」と言って、船乗りたちは、この荷物の手間賃を取ることができなかったという話をしたよ。大変な力持ちであったそうだ。大宜味カナチクという人は。