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宜志富紹長さんの語り

武士松茂良とぺッテルハイムの犬(しまくとぅば)

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【語りの梗概】

波の上の眼鏡と呼ばれた宣教師がいたそうだ、波の上の眼鏡と呼ばれた人がね。そこに、三百斤のおもさのオランダ犬が二匹居て、眼鏡の犬ということで有名だったようだ。

武士松茂良という人が、波の上の入口あたりから、このオランダ犬に追われて、大変なことになっているんだ。ゴウゴウとほえて追われた武士松茂良は「今度こそ私は、大変なことになった。」と思って、手ぬぐいを取って、それを手にまきつけて、にぎりこぶしをつくったそうだ。もう、武士松茂良は、知恵を出してな、犬は、手ぬぐいに歯をくいこませると抜けないよな、そのように手ぬぐいにくみこませる考えのようなんだ。武士松茂良が手ぬぐいを持ち、にぎりこぶしをして歩いていると、この犬はそれを悟ってな、尾をひっ立てて家に逃げたそうだ。この武士松茂良の老翁は、犬をこの方法で、やっつけることができると思ってな、手ぬぐいを前にたらして持って、もう一方の手はいつでも攻撃できるように、にぎりこぶしをしていた。犬が手ぬぐいにかみつくと、犬の歯が手ぬぐいにくいこんではずれなくなるので、そのときすぐに、急所を殴る考えだったんだ。そのとき犬は尾をひっ立てて家に逃げたんだって。波の上の眼鏡の犬といって、大変だったらしいよ。

武士松茂良の話は、他にもあるがあの人は海でへそから上を海面から出して、立ち泳ぎしなさったそうだ。ヘそから下は潮につかって、ヘそから上を海面から出して、立ち泳ぎしなさったようだ。武士というのは大変なものだったんだな。

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