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国頭村の猿長者の語り

与儀新次郎さん(国頭村字宇良)

与儀新次郎さんは、1900年2月10日に生まれました。聞き手は、沖縄口承文芸調査団の堀内さんと富村さん、1974年8月9日の記録です。

【共通語】

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【語りの梗概】

昔、金持ちと貧乏人の隣同士の家があった。貧乏な家は正月になってもご馳走を食べることができない老夫婦の家だった。それで隣りの金持ちの家に行って米籠についている米を貰いたいというが断られる。仕方なく二人は火正月をした。

そこへ神様が降りてきて「どうしてさびしく座っているのか」と聞いた。二人は訳を話した。神様は鍋にお湯を沸かさせその中に少しの薬を入れて二人に浴びるように言った。その湯を浴びると二人は若返った。またご馳走もできた。

隣の金持ちの老夫婦が不思議に思いわけをたずねた。神様の仕業と聞くと、金持ちの老夫婦は神様を無理やり連れ戻し同じようなことを頼んだ。そしてお湯を浴びると金持ちは猿になって鳴きながら家を出て行った。

金持ちの家は貧乏人のものになった。それから猿は毎日のように家にやって来て縁側の石に座り、家を返せとうるさく言う。それで石を焼いておいた。そこに猿が座って尻を焼き、それから猿の尻は赤くなった。また若水もそれから始まった。

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