糸満盛保さん(国頭村字桃原)
糸満盛保さんは、1898年9月17日に国頭村字桃原で生まれました。聞き手は、沖縄口承文芸調査団の丸山さんと照喜名さん、1974年8月9日の記録です。
【共通語】
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【語りの梗概】
むかしあるとくまんかい(昔あるところに)金持ちと貧乏人がいた。貧乏人は正月になるというのに肉や米も買って食べることができない。金持ちの家へ行き古い米俵を借り、それから米の出るのを期待するが一粒も出ず泣く泣く家に帰る。ぼろぼろの服を着た老人が、金持ちの家に泊めてくれと頼むが追い出される。その老人はみすぼらしい家に行き、同じように頼むと親切に迎え入れられる。貧乏人が「食べるものもなく火正月をしています」と老人に話すと「お湯を沸かしなさい」と言う。その通りにするとその鍋からご飯やおかずが出来上がり、立派な正月をすることができる。翌日「瓶のわれを焼いて金持ちの門に置きなさい」と老人が言う。その通りにすると、金持ちの主人がその瓶の上に座り尻が赤くなった。それが猿の始まりであり、そこから十二支の動物が出てきた。