沖縄伝承話データベース

東村の猿長者の語り

渡嘉敷ウトさん(東村川田)

渡嘉敷ウトさんは、1902年6月15日に大宜味村字押川で生まれました。ウトさんは、20才の時に結婚を機に川田に移り住みました。ウトさんは、この話を学校で先生から聞いたそうです。聞き手は、沖縄口承文芸学術調査団の荻堂さん、1979年8月4日の記録です。

【しまくとぅば】

※Flash Playerがインストールされていないと、正しく再生できない場合があります。

【語りの梗概】

年の夜に、金持ちの家に神が泊まりに来たが、神とは知らずに追い返した。今度は貧乏者の家に行くと「こんな家でよかったから泊まってください」というのでそこに泊まった。しかし年の夜だというのに、その家には何もなかった。「どうしてあなたがたは年の夜だというのに何もないのか」と聞くので、「私達は貧乏なので何も買う金がないのです」と答えた。「それではお湯を沸かしなさい」と言うので湯を沸かすと粉のようなものを入れた。片方はご飯、片方は肉を入れてご馳走をした。そして沸かしたお湯で浴びると若返った。

隣の金持ちの家に行くと「あなたたちはどうして若返っているのか」と聞くので「夕べ泊まった人がこのようにしてくれたのだ」と答えた。その人はいなくなっていたが、またやって来て心の悪い金持ちの人たちを猿に変えた。そして金持ちの家はあなたたちがもらいなさいと貧乏者にいった。それで金持ちの家に住んでいると猿がやって来た。マーイシを焼いておくとその上に猿が座って、猿の尻が焼けて赤くなった。

>>  猿長者 TOP