沖縄伝承話データベース

東村の猿長者の語り

瑞慶山良二さん(東村有銘)

瑞慶山良二さんは、1913年8月5日に大宜味村字押川で生まれました。奥さんが有銘の人だったので、昭和17年に結婚と同時に有銘に移り住みました。聞き手は、沖縄口承文芸学術調査団の新垣さん、1979年8月3日の記録です。

【しまくとぅば】

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【語りの梗概】

あるところに金持ちと貧乏人がいた。大みそかの晩に貧乏者は何も食べるものがないので火正月をしていた。そこへ神様が来て「あなたたちは大みそかだというのに何もないのか」と聞く。神様は薬を与える。この薬は望むものを何でも与えてくれる。使ってみると望むものが何でも手に入った。

隣の金持ちが「あんな貧乏者がしょっちゅうご馳走を食べているから不思議だ」と思って理由をたずねる。貧乏者はわけを話し「この薬は神様のいいつけで誰にもあげることはできない」と言う。又、神様が現れたので、金持ちが薬をもらいに来たことを話した。神様は今度は変わった薬を金持ちにあげた。金持ちはこの薬を飲んで猿や烏になって山に逃げて行った。

その後、猿は毎日のように庭にやってきて石の上に座って「私の財産を返せ」と言う。それを神様に話すと「それではその庭石を強く焼いておきなさい」と言う。言われたとおりにしておくと、猿がやって来てその焼かれた石の上に座り、尻が焼けて赤くなった。

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