屋比久ウシさん(東村宮城魚泊)
屋比久ウシさんは、1900年3月19日に東村高江で生まれました。ウシさんは、この話をウザサー(父の妹)から聞いたそうです。聞き手は、沖縄口承文芸学術調査団の金城さん、1979年8月2日の記録です。
【しまくとぅば】
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【語りの梗概】
歳の夜、神様がお爺さんの姿で、ある金持ちの家に泊まらせてくれと訪ねる。金持ちは「私の家は狭いので、隣の家に行きなさい」という、隣の家は貧乏な家で「ここはひどいところだから」と言うと「それでもいいから泊まらせてくれ」と言う。神様は鍋をかけなさいと貧乏なおじいさんとおばあさんに言う。鍋をかけてふたを開けると肉やご飯になった。神様は二人に「若くなると金を儲けるのとどっちがいいか」と聞くので「若くなるほうがいい」と答えた。翌日神様が風呂に入りなさいと言うので、おじいさんとおばあさんが風呂に入ると、二人は若返った。隣の人がそれに気づいて、どうして若返ることができたのかと聞くので、わけを教える。その人はどこに行ったかと聞くので「もう向こうに行った」と答える。金持ちは神様を探し出し、「私達も若がえらさせてくれ」と頼む。神は鍋をかけなさいという。その鍋で沸かしたお湯を浴びると、金持ち夫婦は烏と猿になり家を出て行った。神様はこの家を若返った貧乏人の夫婦に与えた。すると毎日のように猿になった金持ちが家を返せとやって来て、雨だれの下の石に座る。神様はその石を焼いておきなさいという。その石に猿が座ったので、猿の尻は焼けて赤くなった。