沖縄伝承話データベース

東村の猿長者の語り

古堅マカトさん(東村慶佐次)

古堅マカトさんは、1892年11月10日に東村慶佐次で生まれました。マカトさんは、この話を、村の年よりから聞いてたそうです。聞き手は、沖縄口承文芸学術調査団の大本さん、1979年8月3日の記録です。

【しまくとぅば】

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【語りの梗概】

貧乏人と金持ちがいた。貧乏人は年の夜に食べるものもなく、年寄り夫婦二人きりだった。何もないので二人は火正月をしていた。

天から神が降りてきて泊めてくれと言った。貧乏でかぶるものもなく、カマスをかぶっているので隣に行って泊めてもらってくださいと言って隣に行かせた。天の人はまた貧乏人のところに来た。何も食べるものがないと言うと、天の人が大きい鍋を火にかけなさいと言った。鍋のふたをあけるとおかずもご飯も鍋いっぱいできた。天の人は、あなた方は何を望むかと聞くので若返りたいと言った。鍋に湯を沸かし、お湯を浴びると二人はとても若くなった。

それで隣に行くと、わけを聞かれるので、天の人のことや鍋に沸かしたお湯を浴びたことなどを話した。隣の金持ちはその話を聞くと天の人を見つけてきて同じように若返りたいと頼んだ。天の人は、それなら鍋にお湯を沸かしなさいと言った。その湯を沸かして浴びると猿になった。猿は焼かれた石の上に座って尻が赤くなった。金持ちの財産は貧乏人夫婦のものになった。

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