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【語りの梗概】
昔、ある所で家造りがあって、いよいよ屋根葺きというときになって、人手が足りないので渡嘉敷ペークに、「それで、あなたも屋根葺きを手伝ってくださいませんか」と言うと、「私は、屋根葺きをしたことがないので、自分は、屋根葺きをすることはできないよお」と言って、断った。しかしながら、「家造りの人手が足りないので、もうぜひ手伝って頑張って下さい」と何度も頼まれたので、渡嘉敷ペークは、「よし、それじゃあ自分で出来るくらいやってみよう」と言って、それから、家造りの手伝いで
ある屋根葺きを手伝いに行くと、茅葺きや瓦葺きでも同じく、下から上に葺きあげるということは当たり前のことだ。それなのに、渡嘉敷ペークは、「おうい、みんな何ということだ。この家は葺き方が、違ってるぞ、屋根というのはだね、上から下に茅を乗せて葺くのであって、下から上に葺くことはありえない。上から下へ自然に茅の屋根を葺くのであろう」と言った。すると人々は、「いいえ、そんなことはない。やはり茅を下から上に葺き上げることによって、屋根は葺かれるのだ」そういうことで、争いごとになり、渡嘉敷ペークは、「そうか、そんなことなら私は出来ない、もう私は屋根葺きの手伝いは断ることにしよう」と、渡嘉敷ペークは、うまく断ったという話である。