沖縄伝承話データベース

親川富二さんの語り

モーイ親方 小便(しまくとぅば)

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【語りの梗概】

それから、またもう一つの話がある。首里城の城の中に、「小便する者は五貫の罰金」という張り紙があったそうだ。この張り紙がされた後で、ここで小便する者はいなかった。このモーイ親方はわざわざそこに、五貫持って行って、そこの立て札のすぐ側で、モーイ親方が小便するところを、ここの門番に見ら れた。「おい、お前はただではすまないぞ。お前は、この字が何と書かれているのか、分からないのか」。「ああ、私はこれを知っていてここに小便しました」。「お前は何を考えてるのか。モーイ、お前は、気違いだ。皆もそう言っているが、本当にお前は気違いだなあ。もうお前はこのままではすまないぞ。さあ、これには罰をあたえることにしよう」と言われて、昔の侍で偉い人の前に連れて行かれると、「何だよ、そ こに小便しても五貫の罰金ですむだろう。何回小便しようが、すむことだろう」と言ったので、勤めをしている侍様も、「んん、これはモーイの言うとおりだ。五貫の罰金さえ支払えば小便してもいいことになっ ているなあ。おい、この立て札は、今のままではいけない。一段と厳しい立て札を立てなければなあ」とモーイ親方に教えられたという意味の話がある。

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