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【語りの梗概】
鬼餅は、芝居で見た。鬼の妹がいた。人を喰ったのか実際は分からないが、鬼は毎日のように人を殺して喰って世間を騒がせて歩いていたようだ。妹は、「兄さんではあるが、鬼になって人を殺したりして、人から恐れられ、人を騒がせている。一大事な事だ。妹としても申し訳がたたない。血を分けた兄妹ではあるが、兄の命を取らなければいけない」と考えた。妹の計らいで、餅の中に鉄を入れて作った。妹は沢山の餅を作って、兄が住まっている壕の中、岩の中に入って行って、「兄さん」と呼んだ。すると、「お前か、早く来い」と。人は殺すが、妹はやっぱり可愛いんでしょうね。妹には刃物は向けなかったようだ。「何しに来たのか」と兄さんは言った。「兄さんが大変好きな餅を、このように美味しそうな餅を、兄さんに差し上げるつもりで持って来たんだよ」「御馳走になるから出しなさい」と言って、兄は餅を食べた。そこで、「兄妹だから恥ずかしくはあるが、人に迷惑をかけているし、この餅に鉄が入っているのが分かったら、私も殺されたらいけない。女が一番見せてはいけない大事なところだが、恥も忍んでそれでどうにかしないといけない」と考えた。妹は、兄さんが餅を美味しそうに食べているところに、女の見せてはいけないところを開けて見せた。すると、兄さんは、「あははー」と笑いながら餅を食べてしまったら、鉄が入っているのも分からないで喉元で詰まらしてしまったんだって。そうして兄は苦しい思いをしながら、命を引き取った。その後からは、妹のおかげで兄は世を失って、鬼がいなくなったので、世間も大変落ち着いて明るくなったそうだ。それでそこら辺の人達は大変喜んだという話お芝居であったよ。