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【語りの梗概】
火の神を渡したのは津波のシリーの方と言っていた。昔、平南川(へなんがわ)には橋が架かっていなかったから、羽地とか名護あたりに行くときには、潮の満つ時は、迂回して内廻りして行きよった。潮が引いた時は、下に下りて行って、浜から歩いて行った。浜辺を突っ切って行くと、四分の一ぐらいの距離で行けた。火の神様が、ここを渡ろうとしたが、水の中では火はすぐ消えるから、渡られんでいた。旅人、津波のシリーという屋号の方が、そこの主人であるかどうか分からんですが、その方がおんぶして渡してくれたわけです。そうしたら、これは例(たと)え話だと思うんだが、火の神が、「あんたはどこの誰か」と聞くから、「私は津波のシリー屋だ」と言った。そしたら、この火の神が、「私は実は火の神だ。この恩返しに、火事とか火災とかこういった時にはあんたの家には遠慮して、火災起こさないようにしてやる」と、神様の方からお告げがあったんだとかいうふうにそら覚えしています。