アカカナジャーとイチゴ
語り手は伊平屋村我喜屋の名嘉徳盛さんです
2,3月の苺の時期になると、苺を食べるので、草刈りに行く人や野に行く人がそれを見て「アカカナジャーがどこの畑で苺を食べていた」と語った。また、野原に牛を放していると牛にいたずらして、逆さにしてしまう。これを直すためには「トゥビラギー」という木の枝で腰を叩くと逃げるという。ある時、山の石の下にアカカナジャーが鼻をならして寝ていた。それを見た人が怖くて逃げてきて「どこどこの石の下にアカカナジャーが寝ていた」というのを聞いたことがある。またアカカナジャーは、化けてあちこち人を騙して連れ歩く。海でも深いところに連れていかれても沈まないし、身体も傷つけず陸に上がる。こうして二日も三日も連れまわすので、村中の人が探し歩いた。戦前はそういう話もあったが、戦後は人が多くなったので、アカカナジャーが人の勢いに負けたのか、そのような話はきかなくなった。
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