佐久川ミツさん(大宜味村喜納)
佐久川ミツさんは、1916年1月20日に大宜味村喜納で生まれました。聞き手は、沖縄県口承文芸学術調査団の運天悦子さんと前仲千恵美さん、1976年5月2日の記録です。
【しまくとぅば】
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【語りの梗概】
昔、旧正月の前に貧乏人のお家がね、「正月は肉も買えない。火正月しよう。」と言って、火を焚いていたら、ある人が、「泊めてくれ。」と言ったので、それで、「正月なのに何も無いから、私達は貧乏者(ひんすーむん)なので火を焚いて、火正月をしているんですが。」と火に温めて、それで泊めてあげたって。それで、また金持ちはもう御馳走も沢山準備してあるが、泊まりにと行ったら、泊めない。「貧乏者(ひんすーむん)は泊めない。」と追われたからさ、これは御神だったってよ。それで、御神であったから、あの後は、もう御神がさ、その貧乏者(ひんすーむん)家は助けて裕福にして、その金持ちは貧乏にしたからさ。それで、金持ちの家の人は猿になって、その貧乏者の家をもう羨ましがって、いつも貧乏者の家の門の石に来て座ったりしたって。そしたら、この御神がさ、そこの石を焼いて置いてからに、そこにきた猿は尻を火傷して、猿の尻は赤くなっているって。