松本マツさん(大宜味村田港)
松本マツさんは、1892年2月11日に大宜味村田港に生まれました。聞き手は、比嘉ゆり子さん、玉城安子さん、島元要さん、1983年3月5日の記録です。
【しまくとぅば】
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【語りの梗概】
年寄りの夫婦がいて、そこに天の神様がたずねてきた。「今日は年の夜だけど、ご飯を食べさせられない。そこの金持ちの家に泊まって下さい」と言ったが、「泊めてくれ」というので泊めた。「釜にいっぱい湯を沸かしなさい」と言われたので、カンカン沸かした。「お金をもらうのと、若くなるのとはどちらがいいか」と聞かれたので、「若くなるほうがいい」と言った。湯を浴びて若くなったので、隣の金持ちが驚いてたずねると、「あなたたちから鍋を借りて湯を浴びると若くなった」と答えた。それで、神様を呼んできて、「私たちも若返らせて下さい」と頼んで、二人が浴びると、犬とか猿になった。それから、「この金持ちの家は立派に掃除して、あなた方が住みなさい」と、年寄りの夫婦に神様が言われたので、そのとおりにした。ところが、猿になった金持ちがしょっちゅう現われるので、神様が降りてきて、「石を焼いておきなさい」と言って、そうすると、猿がその上に腰掛け、猿の尻は焼けて真っ赤になった。