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【語りの梗概】
蛇(じゃー)はね、人間に化けて入ってくるときは立派な男であるそうです。そして、出て行くときはね、何時出て行ったか、いっこう分からなかったそうです。そして、その女の親がね、「お前の相手している男はどういう男か分かっているか」と言ったら、「全然分からん」。そう言ったら、「あの男を確めないとだめだよ」。そして、「どうして確めるか」と言ったらね、昔は、ウーバーラによ、着物を作る時は糸を紡いで一杯入れておくでしょう。「あれが一杯になったらね、針に貫(ぬ)いてね、その人の衿に刺しておきなさい」と親に言われたそうだ。そうしたらね、夜、その男が寝っているうちにね、衿首にその針を刺してあったそうだ。そして、その男は出て行ったから、それたどって行ったら、その人は、洞窟(がま)に入って行っているから、「洞窟に入るなあ、これは人かなあ、何かなあ」と言って、「お目にかかりたいですが、どうぞ出て下さい」と言って、礼して言葉柔らかに頼んだらね、もう見破られたから仕方がないからね、もう背の高い蛇が出てね、「貴方の腹の中には私の子供が宿っているから、その子供が生まれたら名前は何と付けなさい。必ず成功させてくれ」と。その子供を生んでいたんですが、その孫からは本当の人間になったそうだ。その理由でね、沖縄ではね、アカマターは女(いなぐ)まやーすん〔アカマターは女を惑わす〕という言葉があって、女はその時から、三月三日は浜下りした。