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【語りの梗概】
運玉義留の本名はケラマカナーという名であった。ある首里の親方の所に使われていた。運玉義留が親方のカタカシラの髪を剃りながら、「私達も一生懸命勉強すればあなたのようになるでしょうか」と言うと、「お前たちみたいな百姓がどんなに勉強してもなれるはずがない。どううまくやっても掟までだ」と言った。「この世に名を残す為には盗人になるしかない」と言って運玉義留は盗人になった。運玉森で足音を立てないで走る稽古をして、半分は飛ぶように走った。前の主人の所へ行き、「このようになりました。あなたが何でもこの盗れというのは盗って差し上げます」と言った。主人は「お前ごときがこの家から何を盗ることができるか」と言った。運玉義留が「それならお前さんの黄金の枕を何時いつの日に盗る」と約束した。その約束の日に、親方は家の廻りを家来に見張らせていた。運玉義留は豆をたくさん買い、家の屋根からバラバラと撒いた。親方が「今日は雨が降るな、まさかこんな雨降りには運玉義留は来ないだろう」と安心して寝た。親方の顔にタオルの水を絞ってかけた。親方は「この家は雨が漏るな」と起きたところを、運玉義留がさっと枕を盗った。逃げるところを槍で足を突かれたが、「もう少しだったのに」と言ったので、槍を引いた時に逃げて行った。