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【語りの梗概】
今の幼稚園のところに、私の土地が二千坪ある。そこに農道の杭が通っているが、そこに、比屋根の方に向かっている比屋根クワーシーと言う岩があった。今では、ぶち割ってしまったのさ。あれは下顎がこんなになってジャー(蛇)の口ようになっていたんだ。そして、その岩をこっちでは、比屋根クワークワーと呼びよったそうだ。まあ、その霊(セジ)高い(霊力の強い)岩が前の比屋根に向かって、「比屋根クワークワー、与儀栄え(与儀が栄える)」と言っていたそうだ。その岩に向かったところは、比屋根の字の中心で、その土地は全部、比屋根の字ではない人の畑になってしまい、比屋根の屋敷にはなっていない。そこで、比屋根の人が、「この岩がこういうことをするから比屋根は栄えないんだな」と(考えて)、岩があるのはこっちだから、こっちに(岩をなんとかして欲しいと)願いに来たそうだ。それで、こっちでは、「自分の元祖の岩であるけれども、そうなら割りなさい」と言って割らしたそうだ。それで、比屋根の人が下顎を叩き割ったって。割ったからそれからはこの岩は、「比屋根クワークワー、与儀栄え」とはもう叫べなくなったんだ。それから、比屋根はまた次第々に金持ちになり始まって、与儀よりも裕福になって、今ではもう大金持ちになっている。今、その岩は全部無くなってしまった。