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【語りの梗概】

安谷屋から喜舎場に向いているカニサンという高い石山があった。そのカニサンの力が強すぎたんで喜舎場からは頭のいい人が出なかった。また長生きしないで死ぬと言うんだ。だから、喜舎場では、石で立派にカニサンの返しをつくったけれども、なかなか頭のいい人が出ない。「カニサンの前に家を建てたら大変だ。前には造るな」と言っていたから、その前に家は造れない。ところが、戦後、このカニサンをアメリカーが全部割って平らにしてしまって、山がなくなったんですよ。そしたら、喜舎場の人は、「今からようやく頭が優れたものが出る。長生きも出来るよ」と喜んだと言うんです。喜舎場はこのカニサンがなくなって発展するようになった。