沖縄伝承話データベース

与那城カマドさんの語り

蛇婿入り 浜下り(しまくとぅば)

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【語りの梗概】

アカマターが若者に化けて女をだました。夜になると赤い縞模様の入った手ぬぐいを頭に巻いて女のもとに通った。すると隣の婆が「あんたのところへ毎晩やって来るのは人間ではないよ。あんたはどう考えているか」と聞くと、「あの人は立派に鉢巻をして来ますよ」と答える。婆は「あんたは間違っている。あれはアカマターなんだよ」と言う。女は織り子だったので傍らの籠の中に芋の糸をいっぱい入れてあった。婆は「あんたは承知しないのであれば、針にその芋の糸を通して若者の頭に刺しておきなさい」と言う。女は婆の指示どおり若者の頭に針を刺した。すると若者は痛いものだから飛び出して逃げ帰った。その芋の先をたどって行くとガマ(洞窟)に通じていた。そしてガマの中から「今度はやられてしまったよ」と泣きじゃくる声が聞こえてきた。すると、親か友達か分からないが、「だから言ったじゃないか」と言う別のアカマターの声がした。若者のアカマターは「でもいいよ。私は女の腹の中にナナバーキ、ヤバーキ(笊の七、八杯分)の子どもを産み付けてきたからいいよ」と言う。女はこの話を聞いて、そのことを隣の婆に伝えた。すると婆は「それでは三月三日になると、海へ行って東に向かい、潮を蹴飛ばしなさい」と言う。そのようにすると、夥しい数のアカマターの子供が次々流れ出てきた。それ以来、三月三日には各地で女の子は浜に下り、潮を浴びるようになった。

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