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【語りの梗概】
むかし、貧乏人と金持ちがいた。貧乏人が正月に金持ちの所へ行って、「米俵を私達にたたかせてくれませんか」と言ったが、「お前達のような貧乏人にたたかせるような米俵はないよ」と追い払った。それで貧乏人夫婦は泣く泣く帰って火正月をしていた。そこへ神様が来て、「お前達はどうしたんだ」ときいたので、「私達は正月なのに食べる物もないので、隣の金持ちの家に行って俵をたたかせてくれとと言ったが『貧乏人にはたたかせない』と断わられ、二人で火正月をしているのですよ」と言った。そして(神様が)「それならサンメー鍋に水を入れなさい」と言ったので、そのようにすると、ご飯やご馳走が出てきた。また、湯を沸かしなさいと言われたので、湯を沸かせて年の夜に浴びると若くなった。そして隣へ正月のあいさつに行くと、金持ちが「お前達はどんなふうにして若くなったのか」ときいたので、「こうこうして火正月をしているところへ神様が来て、こうなったんですよ」と言うと、金持ちは「それなら私達も若くならないかなあ」と言うので、「出来るはずだよ」と言った。それで金持ちが火正月をしていると、神様が来て「お前達はどうしたんだ」ときいたので、「私達は若くなりたいのです」と言った。「それならたくさん火を燃やしなさい。そして湯を沸かしてその中に入りなさい」と言った。そうすると、金持ちは猿になって尻が赤くなった。