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【語りの梗概】
女は大変美しい人だった。布を織っているところへ赤手ぬぐいを被った美しい青年が来た。その青年はアカマターで、それに騙されてしまった。青年がいつも来たりするので、隣のおばあさんが気付き、「あんたの所へ来る男をあんたは本当の男と思っているのか」ときくと、娘は「そうですよ。本当の人間ですよ」と言った。おばあさんが「違うよ。あれはアカマターなんだよ」と言っても、娘は「あれは立派な青年だよ」と聞き入れてくれなかった。おばあさんは「それならあんたが布を織る時に、あれが来たら針に芋をぬいて額に立てなさい」と言った。娘は「あれは立派な男なのに、あれに針を立てるのか」と言うが、「あんたは立派な青年だと思っているが、あれはアカマターだからそれをしないと大変だよ」と言われた。それで娘は驚いて、布を織っている時に(男が)来たので、針に芋をぬいてその男の額に立てた。その芋をたどって行くと大きな岩の下に行き着いた。その中で(アカマターが)痛がっていた。そこへもう一人のアカマターが来て、「人間の所へは通うなと言っただろう。人間の所へ通ったらこんな罰を受けるんだ。いい気味だ」と言うと、そのアカマターは「私がいなくなっても子供は作ってあるから心配要らないよ。私は死んでもいいよ」と言った。するともう一人のアカマターが「お前がそう言っても人間が三月三日にフーチ餅を食べて、海へ行って七つ降りをして、岩を七つ渡ったらお前の子供は流れてしまうよ」と言った。その話を聞いた女は、フーチ餅を食べて三月三日に海へ行って、岩を七つ越えて、後ろを見るとアカマターの子供が流れていた。