沖縄伝承話データベース

宜野座三郎さんの語り

阿麻和利と護佐丸(しまくとぅば)

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【語りの梗概】

阿麻和利は「屋良のアマンジャー」といわれ、小さいときに身体が弱くて山に捨てられた。山で蜘蛛が巣を作るのを見て、魚を取る網を作った。そして、毎日、高江洲の前の海に網を持って魚を取りに行った。村の人やいざり(漁)に来ている女たちに魚を分けてやった。村の人たちは、どうして恩を返そうかと考えていた。阿麻和利は、「いついつの日に松明をもって勝連城まで来てくれ」と頼んだ。

阿麻和利は、さきに勝連城の按司に会って、今から首里城から戦さが攻めてくる、遠くから松明を付けてやってくる。大変なことになったと勝連按司が崖の上から心配して見ているときに、阿麻和利が勝連の按司を、崖の上から突き落として殺した。それから、阿麻和利は勝連城を治めるようになった。

阿麻和利は首里城の娘を嫁にしたいと申し出た。首里城では、娘を嫁にやったら首里を落とすことはないだろうと考えていた。しかし、祝いの準備をしているのかと思えば、戦の道具をつくり、来る人を殺そうとしていた。娘のお共として来た強健な大城が、さらし布一反を娘の脇に結び、勝連城の城壁から下に降ろし逃がそうとした。阿麻和利が追って来たが、「阿麻和利の前に雨を降らせて下さい、大城の前は明るくして下さい」と娘が手を合わし祈ったので、大雨が降り逃げのびることができた。

また、阿麻和利は、中城城を落とそうと考えていた。阿麻和利が首里城に、「中城護佐丸は首里城を落とすために、武器を準備している」と告げ口した。首里城の王は、親子で戦をするとは考えられないと言ったが、臣下の大城が確認に行ったところ、中城城内でガンガン音がするので、中の様子は見ることなく音だけ聞いて首里城に報告した。そうして、王は自分の子供なのに護佐丸も倒さないといけないといい、八月十五日夜に護佐丸を落とすことになった。攻められた護佐丸は、人に殺されるくらいなら、自分で死ぬといい自殺をした。護佐丸の子は乳母が連れて逃げて無事であった。

後で調べると、阿麻和利が嘘をついているの分かり、のちに、阿麻和利は首里城に滅ぼされたという。

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