沖縄伝承話データベース

百合若大臣の語り

城戸親間さん(熊本県阿蘇郡阿蘇町上役犬原)

城戸親間さんは、1909年07月10日に生まれました。これは、百合若大臣の語りの補足です。聞き手は関西外語大学の三原幸久さん、1974年08月25日の記録です。

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【語りの梗概】

久住山麓の長者のところに若者に化身した蛇が通ってきて、娘は若者の袴の裾に糸をつけて跡をたどると苧環池にいたる。若者は池の主で針をさされたために死に、娘は卵を二つ産み、池の主の指示に従って滝の裏におさめる。卵から男子が生まれ別府の次郎、太郎と名づけられる。

その二人は百合若大臣につかえ、百合若とともに鬼退治に行く。百合若が鬼を退治した後に疲れて眠ると、次郎、太郎は主人を裏切り、島に置き去りにして帰還すると、百合若が討ち死にしたと偽り、城の主になる。百合若は鷹を使い、椿の葉に手紙を書き自分の無事だと伝え、妻は夫の無事を知る。しかし、妻が鷹に硯と紙をつけて放つと、鷹は重さに耐えずに死んでしまう。

それから数年がたち、難破した漁師が島にたどりつくが、漁師は百合若を置いて去ってしまう。さらに数年してやっと百合若は帰還し、身をやつして次郎、太郎つかえ、愛馬であった鬼鹿毛の世話をする。鬼鹿毛は百合若の正体を知り涙をながす。

箱崎八幡宮の流鏑馬の日となり、かつて自分のものだった(八人張りの)強弓をひき、鬼鹿毛にまたがって流鏑馬をして、次郎、太郎を射殺し、主人に返り咲く。

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