松尾テイさん(佐賀県伊万里市)
松尾テイさんは、1919年3月29日に嬉野市嬉野町大草野上に生まれました。テイさんは、この話を子どもの頃にお婆さんから聞いたそうです。聞き手は佐賀民話の会宮地武彦さん、1985年03月14日の記録です。
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【語りの梗概】
百合若大臣は父と母にずっと子供が出来ずに、神様に祈願してやっと出来た子だった。しかし母親は早く亡くなり、父も百合若大臣が大きくなると亡くなってしまった。百合若大臣は弓の名手で、帝の命で朝鮮征伐に家来を引き連れて出かける。一度は負けるが、二度目に勝ちを収めて帰って来るが、途中の無人島に家来の悪い兄弟の策略で置き去りにされてしまう。兄弟は百合若大臣が亡くなったと嘘をついて、奥方と地位や財産を自分のものにしようとする。奥方は形見に弓と鎧を持ってきたのが信じられず、百合若大臣を待つ。ある日、かわいがっていた鷹があまりにうるさいので、兄弟は鷹を放す。鷹は百合若大臣の無人島にたどり着く。百合若大臣は鎧の下に着ていた直垂の布を裂いて、鷹の足に結んで放す。奥方の元の戻った鷹の足に、直垂が結んであったので、奥方は百合若大臣が生きているのを知る。そして鷹に荷物をたくさん背負わせ、放す。鷹は荷物の重さに耐え切れず、海に落ちて死ぬが、亡骸が無人島に着く。奥方に鷹の跡をつけるように言われた漁師が、百合若大臣を助け出す。百合若大臣は三年の月日を無人島で送ったため、風貌が変わっていて奥方以外はだれも分からない。身分を隠して、お城で行われた競射会に百合若大臣は出て、誰も引けなかった百合若大臣の弓を引く。それで皆はこの人が百合若大臣だと分かり、悪い家来は成敗される。帝から改めて百合若大臣にお達しが来る(後から悪い家来の名前が右近と左近だったと思い出す)。