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【語りの梗概】
昔、ある所に、金持ちと貧乏人が隣同士で住んでいた。この金持ちの家に夜、物乞が来て、「夜も暗いので一晩泊めてください。」とお願いする。お金持ちは「物乞を泊める部屋はない」といって追いだした。今度は隣の貧乏人の家に行き、「私は旅の者ですが、夜は暗くて歩くことができないので泊めてください。」という。貧乏人は、「私たちは貧乏人なので、かぶるものもありません。今日暮らしたら明日はどうしようかという暮らしをしているのです。前の家もごらんのとおりであります。私たちの家には泊まられないんではないですか。」(と言うと)「雨だれをしのぐのき下でもよいのですが。どこでもよいのですが(とにかく)ねられればいいのです今日の夜はものもみえず歩けないのです。一晩あかさせてください。」とおねがいしたので、「そういうことならば、私たちも夕食を食べようと、ここにありますから、これを3人でわけて食べて寝ましょう。」といった。そして、この物乞は一緒にねたそうだ。翌日起きたら、この物乞は「あなた方は年寄りだけど、湯をわかしてこれをいれて風呂に入りなさい。」と薬を与えて帰っていった。老夫婦は「どれ、はいってみましょうかね」と入ると2人とも青年と若い娘になった。そして隣にいって、「私たちは夕べ物乞をとめたら薬をもらって、風呂にはいったら、こんなに若くなった。これからはバリバリ働けるなー。」といったので、その隣の金持ちはそれをきいて、「その物乞はどこへ行ったんだ。」というと、「どこへ行ったかわからないが私たちの家からは出ていったよ。」といった・すると金持ちは、その物乞を追っていって、探してきて、「さあ、今日は私たちの家に泊まってください。そして私たちを若くしてください。」とおねがいしたので、「よろしいですよ。そしたら今日はあなたの家に泊まりましょう。」といっていた。けど、まだ明るかったので、ごちそうもたくさんたべて、翌日、出ながら、「あなた方も、この薬を風呂にいれて入りなさい。すると若がえりますよ。」と薬をおくとかえっていった。金持ちはさっそく、そのようにすると、猿になってしまった。すると物乞はまたやってきて、「私は天の神だけど、猿になってしまった金持ちの家は、あなた方の家にしなさい。あの人たちは猿になってしまったからいらないです。」貧乏人夫婦にいって、帰っていったら、猿がやってきて、「私たちの家をかえせ、かえせ。」といっていた。その家は広かったらしく、「どうにかして、この猿をおいださなくてはいけない。」と考えているところへ天の神がきて、「それは簡単なことだ。この猿たちがいつもきてすわるところの石やいておきなさい。」といわれたとおりにすると、猿は、またやってきて、火で焼いた石の上にすわってしまった。「これはたいへん。」といったと同時に、猿のおしりはまっ赤になっていた。それから猿のおしりは赤くなったという。