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【語りの梗概】
人間は生まれるときからどんな人物になるか決まっているそうだ。あるところにザル作りをして、その日暮らしをしている人がいた。その人が結婚すると、妻は金持ちの神がついていて、そのザル作りはたいへんなお金持ちになった。するとその男はぜいたくをし、妻を大事にしなくなって追い出した。妻はあっちこっち行って、源河(名護市字源河)へたどりつき、そこのザル作りをしている貧乏だが誠実な人の家へ行き、物乞をした。その男は「何日も食べないのなら、私は食べなくてもいいから、あなたが食べなさい」と食べさせてくれた。その男は同年くらいの人だったので行くところもないので、2、3日泊めてもらい、そして妻にしてくれとたのんで妻になる。すると、その男もまた急に金持ちになり大きな店を建てた。そのころ元の夫はぜいたくをしすぎて貧乏になり、乞食になって、その源河の元の妻のところへ乞いに来る。その女は食物とお金をやる。男は女の顔を見て、元の妻だということを知りおどろいて逃げていく。女は今の夫に相談して、今はこのようにしていても昔は夫であった人だから、助けてあげて下さいといって、千貫のお金をくれてやったということである。そういうことだから、人間の運(トウックァ)はその人間が持って生まれたもので、その人と親しくする人は、どこでも金持ちになるのであるから、人間の「金持(クェーキ)・(ヘントウー)・坂(ヒラ)の降(ウ)り登(ヌブ)イ」といって、人間がいつどうなるということは、運を与えられて生まれているということである。