沖縄伝承話データベース

玉代勢百豊さんの語り

金武の洞窟(共通語)

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【語りの梗概】

奈良のあるお寺に若くて非常に優れた坊主がいた。それで目上の人達は、こいつを生かしておいたら政治も握られてしまうからと殺す相談をしていた。この坊主の家来がそれを知って「ここにいると周囲の人達に殺されるから私達に命を預けて下さい」といって、大きな頑丈な箱を作って食料を入れ、海に流した。その頃金武の村では7つから12、3才の子がいなくなることがあった。ある時、7つの子がいなくなったので村人は6尺棒を持って捜し回る。浜辺のガマを捜していたら海の方から、大きな箱が流れてくる。村人は何事かと大勢の人が箱を引き上げてみると、奈良から流れてきた坊さんであった。村人と坊さんは互いに言葉が通じない。坊主が村に行くとそこは金武村で、昔からそこには大蛇が出るということである。坊主は村人に蛇を退治するように言われ、大蛇の棲んでいる洞窟に行きお経を唱えると、大蛇が洞窟から出てきて死ぬ。それで村人達は、大きな寺を建てて、その坊さんに寺を経営させる。それが金武の寺である。しかし、その坊主があまりに優れていたので、その後はあまり後継ぎがないということである。

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