沖縄伝承話データベース

城間亀助さんの語り

柴差し(しまくとぅば)

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【語りの梗概】

八月十日は、昔は仕事をしなかったですよ。あの日は、大事な折り目だったからね。その八月十日にある人が海岸を歩いていたって。そうしたら、もう海の塵をさ、これをとっても頑張って片づけているたくさんの人たちを見つけたから、こんな日にも海岸でしているから、もう不思議でしょう。「可愛そうに、これだけの人たちでこんなたくさんの物を片づけられるかなあ」って言って、この人が助けて、手伝ってやったらしいよ。そうしたら、その人たちが、海岸をきれいにして、帰るときになったら、「実は、私たちは海に落ちて、死んでしまった者です。それで、海をきれいにしないといけないと言って、私たちは掃除しているんだよ」もうこの人達は、後生の人だったかと、驚いていたんですね。そしたら、「今日は、あなたに手伝ってもらったから、その代わりにあなたに情けを一つやろう。今日の八月十日から、海に行っている後生の者たちが幽霊になって十五日まではいるからね、だから、あなたは私たちが立ち寄らないように目印に自分の家の屋敷の角々ぜんぶにサンを立てて置いてくださいね。サンを立てた家には行かないからね。あなたに情けを返すためにこれを教えるよ。これをもう忘れてくれるなよ」って言って、教えてくれたそうだ。それから、八月一〇日には、家の角々にサンをさす柴差しが始まっているって。

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