沖縄伝承話データベース

城間亀助さんの語り

熱田マーシリの墓(共通語)

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【語りの梗概】

具志川に大変美しい顔の女がおって、また島尻にいい男がおって、もうそこは二人の出会いの場になっているよ。そうしたら、この女は珍しい人だったんだよ。「今度は、馬二つに鞍一つをかけて乗って来い」って言うから、そのとき男は別れてまた妊娠した馬に鞍をかけてきているんだよ。だから、二つに馬に一つの鞍をかけて来て、それは当たっておった。それで、また話をしてから、「別れたら、こんどは何を持って来い」と女が言うたらしい。何かそれは忘れておるが、その男は、はいと言って帰ったが、もうどうしても考えきれないで、苦しんでいたが、その約束の日が解けないまま過ごしてしまったって。そしたら、女はここで毎日待っていて、もうこの女は、ここで焦がれ死にしているんだよ。そうしたら、この男は心が痛くて、ここに来たら、その女が死んだということが分かったから、「ここは二人の逢引の場所だ。それじゃあ、もう私もここで死ぬのがいい」と言って、この男もここで死んだ。だから、そこはもう二人の逢う所であったから、「こっちで祀ろう」と、その墓はマーシリのお墓と言って二人はそっちに祀られておる。ここは小橋川門中が昔は拝んでいたが、「どんな意味でここを拝んでいるのかな」と私は今思っている。小橋川門中の墓は、ここではなく向こうだよ。

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