沖縄伝承話データベース

うるま市石川の猿長者の語り

伊波信光さん(うるま市石川伊波)

伊波信光さんは、1910年2月21日にうるま市石川伊波で生まれました。聞き手は、沖縄口承文芸学術調査団の宮城さんと西原さん、1982年8月3日の記録です。

【しまくとぅば】

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【語りの梗概】

おじいさんが大晦日の日に、おじいさんとおばあさんの家を訪ねて来て、「一晩泊めて下さい」と頼んだ。おじいさんが「今日は大晦日だが何も食べるのがないんですよ」と言った。おじいさんとおばあさんは火正月をしていた。そこで、客が鍋を下げなさいというので、下げるとたちまち鍋の一杯の御馳走ができ、それで正月を過ごした。翌日になると、おじいさんとおばあさんは若返って大金持ちになった。

これを知った隣の金持ちが「お前達はどうしてこのようになったのか」と言うので、「実は昨夜、年寄りが来てこんなことがあった」と話した。「それじゃあ、年寄りはどこにいるか」と聞くと、「今頃は村外れだろう」と言った。金持ちは急いでこの年寄りを呼び戻し、「私達も金持ちにさせて下さい」と頼んだ。すると金持ちはあべこべに年寄りになり、猿になった。

それから猿が「私たちの家を返せ、返せ」と文句を言いに来た。ある人に、「困っている」と言うと、「それならマーイサーを焼いておけば猿は来なくなる」と教えた。その通りにマーイサーを焼いておくと、猿が座り尻が赤くなった。

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