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【語りの梗概】
五つで親に捨てられた子供が、七つになったから、「私の母親はどんな顔だったかねえ」と思いだしてね。思いだして島々国々まわっても、自分の親に似ている人はいない。そのときに、仲順(ちゅんじゅん)ウスメーが前から歩いていらっしゃったって。「仲順ウスメー、お待ちになって下さい」。「どうして、子供のお前が私に待てというのか」。「私は五つの歳に親に捨てられて、七つになったから親を思いだして、島々国々まわっても、私の親に似ている人はおりません」と言ったら、仲順ウスメーが、「お前の親に会いたいと思ったら、七月の中ごろに会えるよ」と答えた。そして、その七月に親に会ったわけよ。墓で会ったらね、母親は、「何(ぬー)がよ、かなしぃ小(ぐわわ ー)どうしてここに来たのか」と聞くから、子どもは「何(ぬ)がや、かなしアンマー、アンマーに会うために来たんだよ」と答えた。すると母親は、「これから私は、生き帰る道はないから、七月の中ごろになってハベル(ちょうちょ)はアンマーと思えよ、うみん子(ぐわ )」とおしえた。私達が一八、九の頃は七月エイサーの歌は、「親の遺言」と「継親念仏」っていって、この二つしよったよ。今度は継親念仏をやって、翌年は親の遺言の歌っていって、交替交替やってた。