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【語りの梗概(共通語)】
昔、平得部落は米もなく、粟の稲も充分になかった。そのときに、ターナブナリという神様が沖縄にいらっしゃって、八重山に帰ってくるときに、アンナンという島に流されて、二十日半ぐらい滞在して、アンナンの人に可愛がられたために、「貴方がたにお土産も何もかも持たせようと思うけれど何が好きかな」といわれたらしい。だから、私達の部落には粟もないし、米もないからここで粟も米も贅沢に食べているのを見て、非常にうらめしく見ております。それならばと、あっちから粟の種、米の種を持たしますから持っていってつくりなさいとありがとうともって来た。けれども充分舟(ふにのみち)の道もわからない、打地(うちぢ)もわからないものだから、前里の前のターリ浜という所に着いたものだから、そこに種を降ろしてそこからもってきて種取りをしたために必ず種取りをしたために必ず種取りをターリ浜から祭ってきて種取りの願いをしています。