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【語りの梗概】
兄妹がいた。兄は多良間島の西南にある岩穴に住み、人を喰っていた。噂を聞いた妹は自分の目で確かめようと、子供をおぶって兄の所へ行くと、人骨が積まれていた。妹は噂が本当だと知り、兄のマクパダラの元から逃げようと考えて、おぶっている子供の尻をつねってわざと泣かせる。兄が、何故そんなに泣くかと聞くので、便所に行きたいからだと言って便所に行こうとする。兄が、自分の見ている所でさせなさいと言と、妹は、人の見ている前ではしないからと便所に行く。兄は妹達が逃げ出すのではないかと思って、妹を綱で縛って外へ出す。頭の良い妹は、綱をはずして木の根に結び、子供をおぶって逃げる。兄は、妹があまり遅いので様子を見るため外に出ると、妹がいないので追い掛ける。妹は畑仕事をしていた非常に力持ちの大主に、兄のことを話して助けを乞う。大主は妹を蓑笠で覆って隠す。そこへ兄がやって来て妹が来なかったかと聞くと、木の抜き勝負をして、自分が負ければ教えると言う。兄は大主が易々と木を引き抜くのを見て、自分にはそれはできないと言い、残念そうに帰っていく。大主は、兄を生かしておくわけにはいかないから海に誘い、自分は木舟を作り、兄には泥舟を作らせて舟競争をする。水納島近くの沖に出た時、兄が自分の舟が沈みそうだというので、大主は、櫂で舟べりを叩けば大丈夫だと言う。兄は言われた通りにすると、舟は壊れて沈む。大主は木舟に乗って逃げるが、兄は追いつけず、溺れ死ぬ。マクパダラが死んだ場所から、赤土がどう流れてきたか分からないが、水納島にはマクパダラが舟を作るのに使った赤土がある。