沖縄伝承話データベース

宮城ウサさんの語り

大歳の客(しまくとぅば)

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【語りの梗概】

昔、貧しい老夫婦が正月だというのに食べるものがなくて火正月をしていた。そこへ貧しい身なりをしたおばあさんがやってきて「この家に泊めてほしい」と言った。するとこの老夫婦は「私たちの家はきたなくて正月だというのに食べるものもない。ここは宿にはむかない。隣の家は大きくて立派だからそこに行きなさい」と言うと、そのおばあさんは「断られた」と言った。それで老夫婦は仕方なく泊めてあげた。それからこのおばあさんが「鍋に水を入れて火にかけなさい」と言うと御飯ができた。また「もう一つおつゆ鍋をかけなさいと言ってその通りにすると肉汁ができた。それで正月を楽しく過ごすことができた。おばあさんは帰る時になると「鍋に湯を沸かしてそれで浴びなさい」と言った。その通りにするとこの老夫婦は白髪もなくなり若くなった。隣りの金持ちがそれを見て真似したら、たちまちのうちに猿になってしまった。だから心は優しくしてあげるべきだと言う。

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