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【語りの梗概】
久場熱田の人に、阿麻和利は普段、網で魚捕って食べさせていたわけさ。それで、勝連の按司加那志を落とすとき、「何日の何時ごろ、松明つけて久場熱田の海岸に出てくれよう」って頼んだわけさ。久場熱田の人にとって、阿麻和利は恩ある人であるから、あれが言うことなんでも聞くわけさ。そして、その日に松明つけて浜いっぱい並んだらしいよ。その松明の明かりを戦が来ると見せかけて、勝連の按司加那志に阿麻和利が、「按司加那志の前、久場熱田から今くまー、勝連城んかい戦押しーかきーてぃ来びーしがてー(按司加那志、久場熱田から、今この勝連城に戦が押し掛けてきますが)。」と言うわけさ。「おぉー、あんしぃ(ああ、それで)」「見じーみそーれー(見てごらんなさい)。あれ、明かりつけてくるよ」「だぁ、だぁ(どれ、どれ)」と言うがね、高いところの先に立たないから、「もっとまえに、もっとまえ。もっとまえに行かなければ見えないよ」と言ってな。按司加那志が高いところの先に行ったときに、阿麻和利が崖に突き落としたわけよ。それから、阿麻和利は勝連の按司になったわけさ。