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【語りの梗概】
沖縄の百姓が薩摩から来た役人にお金を借りた。しかし、催促してもなかなか返してくれないので、役人は刀を抜いて百姓に切りつけようとしたが、「ちょっと待って下さい。ものの譬えには『短気が出たら手を出すな。手を出す前に肝を引け』というのがあります」と言われて剣を納めた。そして役人は「用事ができたので薩摩に帰るが、今度来るときまでに金を用意しておけよ」と言って薩摩に帰っていく。家に帰ってみると、妻が男と寝ている。役人は剣を抜いて男を切ろうとするが、百姓の言っていた言葉を思い出して、剣を納めてよく見ると、自分の母親が男の着物を着て妻と寝ていたのだった。役人は次に沖縄に渡ったとき、百姓に向かって「私はあなたのお陰で母親を殺さずに済んだ。あなたは恩人だ。あなたから尊い教訓を得ることができた。だから金は返さなくてよい」と言う。百姓は金は揃えてあるから受け取ってくれと言って、そこで押し問答が起こる。とうとう二人はそのお金を白銀堂の岩の下に納めることにする。※この話は多良間では嶺間按司の戒めの言葉というふうに伝わっている。