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【語りの梗概】
浜下(う)りしないとね、アカマターが綺麗な男になって、化けてその女を忍びに来るってよ。して忍びに来るから、それで浜下(う)りしたらそのアカマターに攫われないって。して、そのあるお父さんとまじゅ一人娘がいたってよ。とっても綺麗な娘であったってよ。してその娘は、もうどこが貰いに来てもね、みんな断りよったってよ。してそのアカマターがいつも夜なったら化けて来て、もうとっても綺麗かったって。そのアカマターは、人に化けてもうとってもその女の人も好きになってね。して、「なんでうちの娘はこんなに金持ちのところからも、とってもいい人が来ても、断るのかねぇ」と思って、して、そのある親が、娘によ、「その綺麗な人が来る場合には、袖に針に長く糸通して、それを男の人がわからないようにやってごらんねぇ」と言って、そしてそうやったから、してもう夜が明けて、夜が明けようとしてまず、いえば今のヒヤジョウのなったところ、「もう帰ろね」と帰って、密かにその針は、糸とあの綺麗に結んでよ、抜けないようにして長くやってあったって。して、その糸は長くついであるから、もうやったから、そのもうアカマターはわからないよ。持って、もう行ったわけさ。してそれ糸を辿って行ったから、後ろの山の裏の穴についていたって。その綺麗な男の人の袖に針やったから、蛇のね、瞼に刺されて、目ん玉に刺されてパタパタしていたという話だったさ。それで「蛇だねぇ」といってわかったって。その女の人もそれからもう怖がってね、もうそうしてから、「浜下りさせなさいねぇ」と言ってね、浜下りさせたという話だったさ。それで女の人はもう三月三日なったら、浜下りするという話、聞いたわけさ。それから女はね、海に行かないとアカマターにさらわれるから、海に毎年女は行きよったという昔話があったわけさ。どれが本当(ほんと)かわからないけど。