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【語りの梗概】
昔よ、双頭(そうず)は恩納村の方にこうして口開いてるわけさ。そこの道造らない前は、ちょうど歯が、上からも下からもこんなにあったわけよ。して、あっちは頭、またこうして、ウランダ森から岬まで続いて、これ一つの大きな蛇がね、蛇があの森になっているという話も聞いてあったさぁ。してこんなに、この口フラチャーの口がね、安富祖に向かっていたから、安富祖は人がよく亡くなりよったって。それで安富祖の人は、「また、なんでそんなに人がよく亡くなるのかねぇ」と言って、まじないに頼んで聞いたからさ、「金武の双頭の口フラチャが『安富祖くゎー、名嘉真くゎー〔安富祖を食おう、名嘉真を食おう〕』と言って、口開いているから、その歯をね、落としてこないといけない」と言ってその歯を上も下も切られたという話だった。それは、道造るときだったよ。して、今の岬はね、黄金森(くがにむい)と言って蛇の尻尾が刀になっていたって。して蛇がそのあれが振ったらね、よく人も殺しよったってよ。それで向こうは顎落とす前によ、黄金(くがに)岬の先だけれども、動きよったという話。この今の役場の道場の前からこうして昔は、あれ下の道路は今の国道は、あ戦後で造ったからこれが、こしてそこぐやーの道をね、そこ森だったから、その道を切りとって造ったから、蛇の背中切って、「並里はフラーがよく出る」という。そういう話もよくしよったわけさ。「わいとりしては造らないで、ただそのまま造ったらいいのに」と言って、あの神人(かみんちゅ)の話しよったわけさ。生まれ高いと言う人達が、そこ造ったために、並里はフラーが出ていると言ってね。よくそんな話。