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【語りの梗概】
あれは鼠がしたそうです。鼠と猫の二匹が、「ひとつ、これは十二支の子丑寅を作らないといけないから、何は何と決めよう。明後日に決めよう」と相談したそうです。そしたら、猫は鼠に騙されて「猫が来たらいけないから、私が決めよう」と鼠が決めたそうです。「よし、私は子(ね)の人になって、お前は何の人」と子牛寅、卯竜巳午、未申酉、戌亥まで決めて、もうこれで十二になっているから、ほら、猫のものはないでしょう。これ(猫)は、また、その時、来なかったそうだ。日は明後日だったのに、明日に替えたので猫はいなかったと言うんですよ。それで猫は鼠に騙されて、動物の十二支には入らなかったそうです。だから、猫年という人はいないのです。 〔聞き手 どのようにして、決めたんですかね。走り勝負で決めたんですか。〕あー、おそらく、走り勝負をさせたんじゃないかな。この鼠はずる賢くて、ずる賢さがあって、もうこれは大変なずる賢い奴だったので、「これ(猫)から外さないといけない」と言って、鼠は(猫を)外したそうです。それでその日は一日早めて、ねずみは(皆を)揃えて、猫は来なかったんですよ。それで、十二匹を鼠が揃えたのです。猫が来れば十三匹になるでしょう。それで、「(猫が)来ない間に早く決めよう」と言って、十二匹揃ったから、「私は子(ねずみ)、お前は、お前は何(なに)と」とそれぞれ決めたので、もう、猫の座る座(ざ)はないわけさ。それで、猫は鼠に騙されてね、この十二の群れには入らなかったそうです 例えば猫との約束では、「十一日にしよう」としたそうですが、鼠は猫が来ない間に一日早めて、「十日」と言ったそうなんですよ、先に。