とりのみじさ

幼児みんわ民話シリーズ7
樋口淳 文・梅田俊 作絵|ほるぷ出版|定価1,000円

おじいさんが、ふしぎな鳥をのみこむと、おなかの中から美しい鳴き声が 聞こえてくる。

日本全国で語られる愉快な笑い話です。

新潟県の松代町で聞いた話は、とくに心に残りました。

松代町は雪深い米どころで、冬には雪が5メートルも降り積もることがあります。

この話は、炉端でゆっくりと苧を績むおばあさんや、藁仕事のおじいさんによって、語り継がれてきたのです。

梅田俊作さんとの共同作業でしたが、絵本作りの楽しみをたくさん教えてもらいました。

梅田さんは、この本を作るために、なんと小さな豆本を作って、お子さんたちに読み聞かせて、いろいろ修正を加えていたのです。

そして、初対面の私に読んでみるように命じ、すぐに「下手だな」と言い放ちました。

まったくその通りで、恥じ入りましたが、私の文章は気に入ってくれたようでした。

私の最初の絵本ですが、一番のお気に入りです。

ただし、たいへん出来がいいのにもかかわらず「とりのみじさ」というタイトルの意味が分かりづらく、売れ行きが伸びなかったのは若気のいたりです(笑)。